「傷だらけの天使レビュー」

第25話『虫けらどもに寂しい春を』 監督:工藤栄一 脚本:宮内婦貴子、大野武雄
修と亨は、物価値下げ運動の旗手として庶民の人気を集めている作家・高山波太郎の身辺を 探っていた。高山の愛人・弘子が、最近高山の様子がおかしいと、学生時代の友人である貴子に相談してきたのだ。修は弘子の部屋で高山と会うが、その同じ時刻に、亨は自宅にいる高山を目撃 する。
ゲスト:本田みちこ、中川三穂子、小松方正、根岸明美 他



今回修とアキラが異常にホモ臭いんですが・・・。


テレビのインタビューを受けるアキラ。
「ア〜ニキ〜、今から帰ってアニキの好きな卵入りのおじや作ってやるからよぉ」
あはははははははは。
公共の電波使って愛の告白やらかしてやがる。
この手の行動だの言動を、ナチュラルに且つ作為的にいろいろやっているので、もうどうしてくれようかと。
腐女子的にはいろいろと美味しい話でございました。

予告を見る限りでは、そんなに面白そうには見えなかったし、実際シナリオはどうってことない、というより「むしろそれはありえないだろう」って感じの穴だらけのストーリーでした。
それがもともとこういう話なのか、話がつまらないから役者達が好き勝手に色々変えちゃって、それでこういう風に散漫な話になっているのは分かりませんが。

それでも今回の話では、役者達の悪ノリ加減が、比較的うまく機能していたのではないかと思います。(でもやっぱり森さんはちょっとやりすぎ)。
綾部邸での4人のやりとりはコントじみてますが、それが「あいたたた」って感じにはならず、「お、けっこうしっくりいっているかも」と感じられたのは、長期に及ぶ撮影の中で、それだけ役者達の間合いや感覚が共有されていたからではないでしょうか。

傷天の放映期間は半年でしたが、実際に収録にかけたのはどれくらいの時間だったのでしょうね。昔は今よりもスケジュールがゆったりしていたとも聞いているので、そのあたりのことも知りたいです。

<2003.3.1>



第26話『祭りのあとにさすらいの日々を』 監督:工藤栄一 脚本:市川森一
ペントハウスが突然、取り壊されることになり驚く修。綾部事務所は全員姿を消していた。海津警部によれば、政界がらみの汚職事件に事務所が関与し、手配されているという。修は京子から貴子が修を連れて海外へ逃亡しようとしていると聞き、風邪で高熱を出しながらすがる亨を振り切って、出て行こうとするのだが…。
ゲスト:西村 晃、柴田美保子、下川辰平、森本レオ、石田太郎 他




最終回予告見てて思ったんですけど、やっぱりこの予告のナレーション方式は<傷天>の世界観には合ってなかったと思います。このナレーターは誰ですか?
<傷天>は、かっこ悪いのがかっこいいという、ある意味でとてもスタイリッシュなドラマだったのに、この予告はクラシカルなんだもの。そこだけなんだか凄く浮いている。
修とアキラが掛け合いでナレーションやるとかの方が良かったなあ。
あるいは、ナレーションの代わりにドラマの音声を入れるとかさ。

ああ、最終回の感想をね、書かなければね。感想。うん。

息を胸一杯に吸い込んで、声を限りに叫びたい。


修のばかあーーーっっ!!!




もうこの一言に尽きるというか。
他に私に何を語れというのですか。
いえ、まだ語りますけれども。
もうちょっと真面目にね。

誰もいなくなった事務所に散乱した書類。
一面のグラビア写真の上に横たわるアキラの死体。
散り乱れる塵芥の中、リヤカーを引いていく修の姿。

淡々と進行していくストーリーは、大団円からはほど遠い。
要所要所で舞い散る紙吹雪は、こんなにも詩的で美しいのに。

私はこの物語が、ハッピーエンドにならないことを知っていた。
息を凝らし、身じろぎもせず、彼らに訪れる静かな破滅をただ見つめる。
胸の奥をギリギリと締め付けられるような感覚に耐えながら。
それはとても苦痛を伴う行為なのに、それでも目が離せないのは、目の前を流れていく映像がとても綺麗だったから。

らしくなく映像について語ってしまっているのは、主役達のことを考えることから逃れたいからなのかもしれない。

修は修の考える成功を求めていた。
アキラはアキラの考える幸福を望んでいた。
方法は違っても、二人の考える未来の先には、互いの姿があったはず。

アキラは修に見捨てられたのだという思いを抱えながら、一人で逝ってしまった。
修はアキラを見殺しにしたのだという後悔を、一生背負って生きて行かなくてはならない。
その事実の持つ意味を深く考えるのはやっぱり辛い。


もう少しして落ち着いて、物語全体について考えられるようになったら、総論を書いてみたいと思います。

<2003.03.04>

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