熱中時代レビュー
1話〜14話

1 .オレが先生と呼ばれる日

最初は、「ああ、ちょっとなまりのきつい、普通の青年役なのね、やっぱり」などと思っていました。しかし、アパートの同居人が女を連れ込んだために部屋の外に寝る羽目になったり、校長先生の家に下宿するために荷物を運んでいるときの彼の姿は、口調も含めて、おもいっきり<傷天>のアキラでした。きゃー。
<傷天>を見てた時のことですが。
旦那「水谷豊はイントネーションがおかしい」
私「えー、こういう役作りなんじゃないの?」
旦那「何の役を演じててもそうだよ」
私「そうかなあ。今までそんなこと思ったことないけどなあ」
しかし熱中時代を見ると、傷天の時の独特の口調は、あれはやっぱりなまってたんですね。だからといって彼の演技の良さがそれによって損なわれることはありませんが。
相変わらず水谷さんは体が軽そうですが、彼に動かされている子どもまで軽そうです。これは水谷マジックですか?
体育の跳び箱の時間で、跳び箱が跳べない子どもを、軽々と持ち上げたり運んだりしてました。えーなんで? こんな動きはあり得ないよ。ほんとに。

<2003.3.4>

2 .熱中先生の最初の失敗

これは先生達のドラマであって、学園ドラマではないんですね。2話まで見てようやく分かりました。いや、1話見てたとき、なかなか主役が学校に行かないので「一体いつになったら本題になるんだろう」って思ってましたよ。
私は自分が学校嫌いだったため、学園ドラマも好きじゃなくて、未だに金八先生は気恥ずかしくて直視できないのです(オヤジの説教は大嫌いさ)。
幸いなことに北野先生は、体温が低そうな感じなので、どうやらこの先も見て行けそうです。良かった良かった。
突然ですが水谷さんの目って、凄く虚無的なんですよね。傷天の時もそう思ったし、今でもそうだと思うんだけど。
こんなに暗い目をした人が、良く当時の国民的アイドル(ぷ)になれたものだと思いますが(お前は本当にファンなのか)、それだけ彼の演技は魅力的だということで。
脇役陣がめちゃめちゃキャラが立ってて、主役だけが悪目立ちしてないのも好感度高し。脚本も面白いですね。スピーディーで、次回への気の持たせ方が凄く上手い。

<2003.3.4>


3.UFOと謎の男の正体

私が熱中時代を見始めた理由の一つとして、「前髪を下ろした水谷さんが見たい!」というものがありました。だって・・・あのオールバックの髪型はなんだかおっさんくさいというか。私の父親も同じような髪型なのでなおさらそう思ってしまうというか。
で、まあ、私が望んでいたような前髪サラサラヘアというわけにはいきませんでしたが、前髪を見ることが出来たわけです。
あれはやばいです。先生に見えません。いえ成人男子にすら見えません。スタジャンにジーンズ姿に至っては、まるで高校生のようです。かわいすぎます。なんとかして下さい。
ああ、だから前髪を下ろすわけにはいかないのか。全く年相応に見えなくなってしまうから。て、これは前回の話なわけですが。
いい加減、3話について語りましょう。
ここに来てようやく、小糸先生の秘密が明らかに。
ダメ父さんと、校長先生と、小糸先生と、北野先生の4人が対峙するシーンには思わず見入ってしまいました。
教え子を助けたい校長先生と、校長先生にこれ以上迷惑をかけたくない小糸先生と、そんな小糸先生を見ていられない北野先生と、人に頼ることしかできない父親と、それぞれの気持ちが良く分かるからなおさらつらいね。

<2003.3.9>


4.ああ!聖職者のケガ

北野先生最大のピンチ。
「日曜日にクラス全員でもみじ狩りに行こう!」
そんな思いつきで物事を決めたらダメだろ、と思っていたら案の定PTAの一部からクレームが。
困った北野先生は「足を怪我した」ことにして、遠足を中止にします。
で、このドラマって登場人物がみんないい人で、先生達もお巡りさんも、もの凄く純粋に北野先生を気遣ってくれるわけですよ。仮病なのに。
うわ、いたたまれないわ、これは。
クラスの子ども達に至っては、千羽鶴だのお手紙だのを携えて総出でお見舞いに来てくれました。
つ、つらい。とてもうれしいけどつらい。
どうすんだ、どうすんだ、と思いながら見てましたが、とにもかくにも生徒達には北野先生のウソがばれなくてほっとしました。あー、良かった。
そしてふと気づいたときには、北野先生の中に傷天のアキラを見ることはなくなっていました。もう北野先生にしか見えないや。

<2003.3.9>


5.僕の先生はフィーバー

当時日本中の小学校で広まったというグーチョキパー挙手と、北野先生とルイルイの殴り合いの回でした(要約しすぎ)。
ディスコで北野先生と桃子先生が踊るシーンはちょっとなあ、という感じでしたが(打ち合わせもせずにあんなに綺麗に踊れるわけないだろ)、志穂美悦子の本領が変なところで発揮されていました。さすがアクション女優。足が上がる上がる。悪いが北野先生よりも動きに切れ味がありました。ていうか、北野先生より男らし・・・あわわわ。
でもそれをのぞけば、やっぱり脚本が凄く上手い。面白い。
しかしもう5話なんですが、先生達はめったやたらとキャラ立ちしてるのに、未だに北野先生の生徒の中に、誰一人としてキーパーソンが出てこないってどういうことよ。
主役は先生達で、生徒はあくまで添え物なのね。
斬新なドラマだわ。
そして北野先生は一応主役なのだけれど、ドラマ的には狂言回しの役割で、真の主役は校長先生なのではないかという気がしてきました。
ルイルイがボクシングをやっているという設定でしたが、水谷さんも個人的にボクシングの経験があるから、ドラマの中でボクシングをするシーンが出てきたり、細身のくせにやたら筋肉質で身軽だったりするのかしら。誰か教えてください。

<2003.3.13>

6.熱中先生、子連れ旅

メインライターの布勢さんではない方が脚本を書かれているので、ほんの少しだけ違和感を感じた回でした。
布勢さんの脚本では、先生方が教育談義を行っているシーンが結構あって、その中では様々な価値観が提示されるのだけれど、その価値観の扱いはあくまで等価なのですね。例えば2話で、北野先生は「跳び箱は練習すれば誰でも飛べるようになる(のだから、出来るまで練習させることが子どものためになる)」と考えていたのだけれど、小嶋田先生は「筋力の問題なのだから、無理強いさせることはない(やっても出来ない経験の積み重ねは自尊心の低下を招く)」と考えているわけです。両者の考え方にはどちらにも理があって、そこに優劣はつけられません。で、そこで短絡的な価値判断をせずに、保留にしておくところが、布勢さんの脚本の秀逸なところなのだろうと思っていたわけですよ。
でもやっぱり書く人が違うと、そういう微妙なところが出なくなってしまうのですね。
親子は一緒にいた方がいいって、そんなの当たり前。それが出来ない状況だから父子共々苦労してるんじゃないねえ。それを北野先生に「子どもに淋しい思いをさせる父親は嫌いだ」で片づけて欲しくはなかった。まあその後子どもに「お父さんの悪口を言うな」と北野先生は叱られてしまったわけなんだけどね。なんだかそのことがどうにも納得できず、悶々としてしまいました。オチも無理矢理なハッピーエンドっぽくって、それもどうもなあ、と思ってしまいました。
私はひねくれ者なので、「これが答えだ」的なことをされると、ついつい反発したくなる。
出来が悪いわけではないんですけどね。水準はクリアしている。多分。

<2003.3.14>

7.熱中先生 二ヶ月目のピンチ

ほんとにピンチだ。なんだか見ていて、こっちまでストレスがたまってしまったよ。
神経性胃炎になってしまうなんて、北野先生ったら熱中先生なのにとっても普通。でもまっとうな感性の持ち主なら、胃痛の一つや二つ起こすよね。職業人てストレスたまるもの。教師なんて人間相手の仕事ならなおさらね。むしろそうならない人の方が鈍感で、当の本人はへいちゃらなのに、その鈍感さ故に周囲を困らせてしまう人なんじゃないかと思う。私も昔胃炎を煩ったよ。そしてその時に効果を発揮したのは、胃薬よりも抗不安薬の方でした。だめじゃん。
北野先生は一つのことに集中しすぎる視野狭窄のケがある人だけど、愚かではない。あれなら青空の方が見ていてよっぽどイタい。今回の青空は本当に困ったちゃんだったね。これが主役だったら、悪いが私このドラマを見続けてられなかったわ。
で、結局、音楽発表会がどうなったかについては語られず。大切なのはプロセスで、結果は問題ではないのね。このドラマでは。その潔さや良し!

<2003.3.15>

8.危険な関係 プレイバック

冒頭の、北野先生の夢が微妙に生々しい。このむっつりすけべ。
「も、もももももも、桃子さん!」の時のイントネーションが、やっぱりなまってるのに笑う。そして「失礼します」でいきなり抱きしめるのにも笑う。色気がないねえ。
さて本題。
今回は、養育能力の低い親の問題がメインテーマ。多分このドラマは、かなりきっちりと学校現場の取材をしてるのでしょうね。20年以上前のドラマだけれど、その中で取り扱われている問題は、今でも実際に教師達の頭を悩ませている問題。良質のドラマには普遍性があるから、「そんなのありえないよ」というような描写はホントに少なくて、ツッコミを入れずに見てられるところが良いです。
家庭の問題に教師が関わるのは本当に難しい。プライバシーの問題もあるし、基本的には関わらせてくれるところまで関わるしかないのだろうけど、子どものことを考えたら、教師が介入しなくてはならない場面もある。親が望んでいないのに、会いに行かなくてはならない場合は、精神的に疲れるだろうね。

<2003.3.15>

9.二つの恋のメロディー

9歳児の恋心に、そこまで北野先生は真剣になる必要はないと思います。そして、小糸先生も思いっきり巻き込まれています。何も教師二人で、子どもの恋のキューピッドやるこたないだろう。お節介すぎだってばさ。
これも脚本は布勢さんじゃない人が関わってるのね。彼が書くと、もうちょっと乾いた感じで、あまりツッコミの余地がない話になるはずなんだけど・・・ね。

<2003.3.17>

10.やってきたガキ大将

ルイルイはいつの間にかキャラが丸くなり、魚津先生もなぜか<劇団蜘蛛の巣>のメンバーとツーカーの仲になってました。二人とも最初はクールビューティーだったのに、どんどんキャラがコメディ方向に行ってしまっている。いいんですけどね、別に。
OPを歌っていた少年がゲスト出演。色白でつやつやの頬とか、つぶらな瞳とか、クラスメイト達とは全く違うキラキラオーラを放ってました。
で、八代先生の息子でした。おお、これはかなり意外な展開。
子どもが3才の時奥さんと別れて、それ以来会ってなくて、今息子小3てことは、八代先生は6年以上も姉夫婦の家に居候してるんですか。とんでもない人ですね。
学校内の描写は普通なのに、劇団とか校長先生の家でのエピソードになると、だんだん演出が濃ゆくなってきて、いたたたたた、って頭抱えてしまうことが増えてきたのは、私がこのドラマに慣れてきたからなのかしら?
で、最後に北野先生がサルのものまねをするんですが、それはかなりハズしてる感じだったんですが、このものまねが異常に上手いんですよ。椅子の上を渡り歩くときの動きが、ぎょっとするくらい重力を感じさせないのです。なんか、初めてムーンウオークを見た時みたいな気分でした(年がばれる)。
水谷さんが芸達者なのは良く分かりますが、やっぱり演技が濃いと思います。みんな濃いんだけど。お茶の間向けに分かりやすくやってるんだろうとは思うんだけど。うーんうーん。

<2003.3.17>

11.涙の父母参観日

また女かよ。しかも風吹ジュンだし! 無意味に綺麗だし、図々しいし、と思ってたら、1話にちょっとだけ出てきてた先輩の恋人でした。あれ風吹ジュンだったんだ。全然気づかなかった。でも校長宅をかき回すだけかき回して、さっさと消えてしまいました。なんだったんでしょう一体。
青空さんは本当に女優をやりたいのなら、適性について悩むよりも、自分はなまってるんだということを自覚した方がいいと思います。
ようやく北野先生が<熱中>先生っぽく見てきた今日この頃。私は子どものころから<熱い>のが極端に苦手なので、授業参観のシーンは正直辛かった。これじゃ一種の公開イジメだよ、とこっちがはらはらし、3回くらいビデオを中断し(落ち着け、これは作り物なんだ、ドラマなんだ)と自分を鼓舞し、それでも結局早送りで無事に子どもが分数と小数の関係を理解したのを見届けて、それからようやっと巻き戻して見られました。ヘタレです。
泥臭いのも一生懸命さも見ててつらいんだけど、しかし憎々しいほどに脚本が良くできていて思わずうなってしまう。小3で分数や小数が分からない子って、本当にああいう風に考えてしまうから混乱してしまうんだよね。私の子供時代といえば、分数や小数の概念を本当は分かってなかったし、単に計算方法だけ覚えてテストではいい点を取ってたような気がします。もし子供時代にああいう先生に出会えていたら、ありがた迷惑と思ったかもしれないけれど、あらゆることを小手先の知識で切りぬけていた小賢しい子どもだった私も、もう少しまっとうな人間になれていたかもね。

<2003.3.18>

12.熱中先生と少年探偵団

小嶋田先生は、まだ教師になって2年しかたってないのに、なんであんなに訳知り顔でものを言うのだろうかと思っていたのですが、基本的には良い人ですね。
北野先生はそんなにイタくありませんでしたが、周りの人が北野先生に引きずられて、無駄に一生懸命になっていたような気がします。小嶋田先生は、普段ならもっと物事をそつなくこなすでしょう。
話は普通に面白かったけれど、やっぱり布勢さんの脚本と比べると、なんていうのかなあ。今ひとつキャラクターに深みがない、っていうの?(何様だよ)。
あ、あとね。最後の犯人との立ち回りは、もっと派手に、北野先生はもっと熱く犯人と殴り合って欲しかったです。ルイルイとの殴り合いの時の方が北野先生かっこよかった〜。

<2003.3.18>

13.故郷に帰った熱中先生

見てるときは、色々ツッコミを入れてたような気がしたのですが、見終わったら忘れてしまいました。
里帰りの話なのに、本当に北海道でロケしてるのに、やってることは相変わらずの教育談義。なんと北野先生の家族は最後まで出てきませんでした。すっげー。こんなアクロバティックな話があり得るんだ。すっげー。え、私、感心するところ間違ってますか? いや、こういう風にドラマの定石を外されると、なんだか嬉しくなってしまうので。
私が子どものころも、小学校の時の通知票は3段階評価だったけど、今はそういう風にランクづけをしないっていう話を聞いたことがあるけど、本当なんでしょうか。割と最近、小1の子の通知票を見たことがあるけど、<良くできました>と<普通です>(言葉はうろ覚え)の2種類くらいしかなかったような・・・まだ1年生だから? それとも、「子どもをランクづけするのは良くない」ってことで、3段階評価はなくなったんでしたっけ? どっちにしろ安直な平等主義は、教師のためにも生徒のためにも良くないと思うんですけどね。だって世の中全然平等じゃないもん。今でも通知票が気にくわないと、教師の所に怒鳴り込んでくるような保護者はいるのかなあ。いるんだろうなあ。ああやだやだ。

<2003.3.20>

14.消えたお年玉の謎

だから子どもを家に呼ぶと悶着の元になるんだから、最初から呼ばなければいいのに、と冷静に思ってしまう私は、根本的に教師には向かない人間なのだと思います。なってませんが。
だれかこのお年玉を取られたと騒ぐガキに制裁を加えてやってください。
ああいやだ。遙か昔、自分が小学生だった時に起こったことを思い出しました。どんな事件だったか忘れたのだけど、とにかく担任が教卓の上に箱を置いて、生徒からは見えないように仕切を置いて、「これから一人ずつ前に出てきなさい。やったのなら置いてある消しゴムを左の箱に、そうでないのなら右の箱に入れなさい」とかいうのをやらされました。・・・はっ。まさかあの担任、熱中時代のこの話を参考にしてやったのでは!
20年後に明かされた衝撃の事実だわ。

<2003.3.30>

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