第18話 『ピルイーター』
放送直後にネット上で同時多発的に起こった『東映がとうとうやっちまった』祭りが凄すぎて、イタミンの逆切れも、薬の謎も何もかも吹っ飛んでしまって、今更私が言うことなど何もないような気がするのですが、あと3年くらいたったらこんな駄文も資料性が出てくるかもしれないので、取りあえず書いておきましょうか(3年も続かないだろ)。
今回は長谷部さんという相棒では初登板の監督さんだったのですが(あぶない刑事などを手がけた人らしいです)、めったやたらと役者さんのアップが多くて、目の遣り場に困りました。特に、
「個人的に…ですか?」
の右京さんの流し目とか。
なに? なんなのこの人。50過ぎてなに色気振り舞いてるの? おかしいわ。おかしいわ。こんなことを大真面目に考えて頬を赤らめている私が一番おかしいわ。
まあ、それだけなら、私の頭が腐れているというだけの話なのですが。
この素敵オジサマーズのどアップの饗宴は、あのオチのための壮大なる伏線だったのかと考えると…まずい。確実に確信犯的に東映に踊らされている。私らひょっとして狙われてますか?8時40分くらいまでは、
(おかしいな。なんでこんな普通の2時間ドラマみたいな展開なんだろう。脚本輿水さんなのに、タネあかしが素直すぎる。どんでん返しがあるのか? しかしこれで何をどうやってひっくり返すんだ?)とぶつぶつツッコミながら見てたんですが。
なにしろ、私は大河内は湊の奥さんに岡惚れしてるのだと思いこんでて(思いっきり引っかかってますがな。もー私ったら素直なんだから)、あの少年のように無防備すぎる大河内の泣き顔を見てすらもそう思っていました。そして、コワモテのいい年したおっさんが手を振るわせながらだらだらと涙する姿に、見てはいけないものを見てしまったかのような罪悪感と居心地の悪さを感じてしまったわけなのですが。まさか男のために泣いていたとはな。
仲間内だけで共有できるやおいという思考遊戯への耽溺は、それが極めて閉じられた空間でのみ通用する密やかな楽しみで、それは万人には理解されない世界なのは百も承知だから、内々でこっそり楽しむのが腐女子のたしなみなのに。オフィシャルでやられちまったよ!
しかも官憲だよ。タイムリーだよな。カリフォルニア州は同性愛者が押し掛けて憲法改正の騒ぎになっているこのご時世に。問題作というか…これをこの枠で出しちゃうんだから、ほんと勇気あるよね。人気と自信がなくちゃできないよ。
この手のネタは、えげつなく描こうとすればいくらでもそういうふうに演出できると思うけど、主役が中立的な立場で淡々としているから、センセーショナルな題材だけど上品におさまっている。そして切ない。
まあ、リアルタイムで見ていたときは、最後の10分ではテレビの前で激しく挙動不審になったことをここで白状します。
その後更新された銀座NOWによると、大河内役の神保さんがこんなこと言ってたらしいです。
『今時、男女間より障害のある同性愛者の方がその障害ゆえに、より純愛を描けるのではないかと』
そんなあなた、幾多のやおい論でさんざん語り尽くされてきたような発言を公式の場で堂々と。
私はホモネタオッケーな人間ですが、厳密に言うと一番好きなのはプラトニックなんですが。なんかもう今更男と女に幻想は抱けないんですよね。だってやっちゃえばおしまいみたいな気がするんだもの。
なので大河内は真性で、湊は自分はずっとヘテロだと思ってたんだけど大河内に出会ってしまって、自分の本性に気づいてしまったので奥さんとセックスレスになってしまったとかいう裏設定がいいです(そんなオチかい)。
<2004.3.3><back> <home> <next>
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